新卒の石の上にも三年は本当に正しいのだろうか

つい最近、当校(東京インターハイスクール)での採用面接で、候補者から「石の上にも三年」という言葉が出ました。新卒でブラック企業に入ったけれども、3年間我慢したという話でした。同じところで少なくとも3年間働いていなければ、転職時にどこの会社も取ってくれないという考えが根底にあるようです。一昔前なら通用する価値観でしょう。しかし、私は正直この価値観を認めません。

会社というものは入ってみないとわからない所があります。ホームページ上で記載されていることと、実際の職場の乖離は多かれ少なかれあります。実際に入社してみて、「思っていたのと違う」と感じたとしても、そのまま居続けないといけないでしょうか。残業代を払わないなど、明らかに労働基準法違反の会社だとしても、働かないといけないでしょうか。

ブラック企業に「ただ我慢していた」だけであれば、私はその人をマイナスに評価します。それは、「辞める」という行動すら起こさなかったからです。自分の待遇を良くするために、将来のために役立つことを身につけるために、新しい仕事先を早期に見つけようとしないというのは、「行動力がない人」と思われてもしょうがないです。

現在、勤怠に関する訴えと共に、セクハラ、パワハラなどに対して訴える声が以前よりも大きくなっています。これは、行動を起こす従業員が増えてきたこと、そのような動きを尊重する環境が出来てきたことが挙げられます。自分の身は自分で守らないといけないですし、おかしいことはおかしいと言える世の中になれば、日本の労働環境はもっと良くなるのではないかと思います。

(担当:川崎純)