
活動両立型
今までの経験、心理学や栄養学の知識をもとに、若手のバレエダンサーをサポートする立場になりたい
小笠原由紀
さん
前回学生部が小笠原さんにインタビューしたのは2008年。インターバレエ生第一期の小笠原さんがインターを卒業し、ドイツのドレスデン・ゼンオーパー国立バレエ団での活躍をスタートされた頃でした。現在は日本を拠点に精力的に活動されている小笠原さんに、これまでの軌跡をお話頂きました。
FLAPバレエコンクールをきっかけに、今夏に他のコンクールでの審査員も務める予定です。FLAPバレエコンクールの冊子を拝見したとき、東京インターハイスクールのことが紹介されているのを見て驚きました。インターとご縁があるコンクールであることを知って、インター第一期バレエ生として嬉しかったです。
ドイツのバレエ団に在籍したあとフランスのバレエ団に移籍し、パリにてフランス政府認定バレエ教師国家資格を取得しました。実はその後日本に帰国してしばらく一般企業に勤めていたんです。ただやっぱりバレエに携わりたくて。教師の国家資格を持っていたことが後押しになり、現在はスタジオARCHITANZやスタジオオープスなどでバレエを教えています。その他現在、United Danceという団体の日本代表としての活動もスタートしています。
United Danceは私のダンサー仲間がアントワープを拠点として立ち上げ、ダウン症のある青少年を対象にバレエのワークショップを開催している団体です。私はパリオペラ座バレエ学校での開催に携わってきました。ワークショップはこれまでアムステルダム、パリ、NY、ボストンなど世界各地で開催されています。日本でのワークショップは港区の助成を得て早ければ8月の開講を目指しています。
そしてさらにこの度、念願がかなってヘラルボニーさん(主に知的障害のあるアーティストの方が描いた作品を展開している団体)とのコラボレーション企画が実現することになりました。こうしてまたひとつ、色々な方の力を借りて新しい前例を創っていけることを、とても嬉しく感じています。
ありがとうございます。それから実は、現在放送大学で心理学を学んでいるんです。私は幼い頃から人の心の動きには敏感なところがあり、この分野にはもともと関心がありました。
さらに私には海外生活やバレエのキャリアにおいて悩んだ当事者としての経験もあるので、自分の経験とこれから得たいと思っている心理学や栄養学の知識をもとに、いずれ若手のバレエダンサーをサポートする立場になりたいと思っています。
私が10代や20代の頃の自分に必要だったと感じるように、実際今の若手のバレエダンサーの子たちは自分の心や身体をサポートしてくれる人を必要としていると思うからです。
他者の力を借りることの大切さを伝えたいです。私は現在セルフメンテナンスのためにカウンセリングのサポートも受けているのですが、そこで「自立することは依存できる場所を増やすこと」だということを教えてもらっています。
そのことはインター在籍中にも当時の担当コーチにたくさん支えていただきました。留学を断念した時も、バレエ団のオーディションに合格できなかった時も、それは当時の私にとって辛い経験でしたが、結果的にそれらは挑戦した自分に失敗が他の可能性をもたらしてくれるきっかけにもなりました。私が「止まない雨はない。抜けないトンネルはない。」と信じてこれまで目の前の一歩一歩を大切に進んでこられたのは、当時そのことに気づかせてくれたコーチのおかげだと思っています。
ゆくゆくは私も、バレエダンサーの気持ちに寄り添い、辛い時は頼ってもいいんだよ、と声をかけてあげられるサポーターになりたいと思っています。
人と同じスピードで上達しなくても大丈夫。100%理想通りではなくても、上手くできたところを見つけて自分を褒めてあげてください。そして、周りの人にたくさん頼ってください。頼ることで、きっと強くなれます。
それから、待っていてもチャンスはやってきてくれません。私が経験したように、失敗は必ず他の可能性をもたらしてくれます。いつかきっと「今の自分があるのはあの時挑戦して失敗したからこそ」と思える時が来ます。だから思い切って挑戦してください。応援しています!
素敵なエールをありがとうございます。バレエ生にきっと届くと思います。私達も、これからも小笠原さんのご活躍を応援しています。
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